AI時代も変わらない、つくる人の仕事
今回の話はBtoBの話で書いてみました。
建築の世界でも、時短や作業の軽減、コストダウン、情報の有効活用など、さまざまな工夫や試行錯誤が行われています。
高機能なCADで描く3Dパース、そしてAIを活用したイメージづくりも、その一つです。
家づくりを考えておられる方は、最初の入口として、Instagramやホームページに掲載された施工写真、イメージ画像、パースなどを目にすることが多いのではないでしょうか。
図面だけでは伝わりにくい空間の雰囲気やイメージを、分かりやすく想像していただくために、パースはとても役立つものです。
ここで少し余談ですが、パースや画像を見る際に注意したいのは「広さ」です。画角は見せる側で調整できるため、実際の空間より広く、あるいは印象的に見えることがあります。あくまでイメージとして受け取ってくださいとしっかりとお客様に伝えないといけません。
画像は、とても簡単に3DCADで描いた室内の形をもとに、AIでインテリアのイメージを加え、何度かやり取りを重ねて仕上げたものです。AIがなかった時代、小物を丁寧に配置し、既定のパーツで表現できないイメージは自身でパーツを作り、初期段階の提案にもすごく時間がかかっていましたが、今は、ある程度の下書きと、的確な指示をAIにすることで、続きを秒でしてくれるのですから、すごい時代が来たものだと思います。
今回載せた画像には、「ロココ調」「フレンチ・ロマンティッククラシック」といったキーワードも入れつつ、壁紙、照明、家具、モールの配置などについて指示を描きました。そのキャッチボールは何度かしないといけませんが、それらしいイメージが出来上がります。
こうした画像は、お客様に雰囲気をお伝えするためだけでなく、現場の大工さんや職人さんに意図を伝える際の参考資料としても、十分に役立つ伝達ツールになります。真に便利な道具になると感じています。
ただし、AIが作った画像には矛盾も結構あります。その画像をこのままお客様に見せられるのか、どのように使うのかを判断するには、人の技量が必要です。
「このような雰囲気がお好きですか」と、お客様とイメージを共有するぐらいには、多少のことには目をつぶり、話を進めることはできますが、けれどAIがつくった画像が、そのまま現実にできる建築やインテリアとして造作できるわけではありません。画像の中では美しく見えても、このような形が現実に造れるのか。壁紙や床材、照明器具は、予算や施工方法も含めて実現できるのか。既製品でなくすべてが降るオーダーになれば、予算なんてあっという間に何十万、何百万単位で上がっていきます。
そこを考え、選び、現実に形にしていくのは人の仕事です。
建築は、最終的には実際の建物になってこそ、その価値が分かるものです。図面どおりに納めることができるか。見た目だけでなく、危険ではないか、暮らしの中で本当に使いやすいものになるか。
「あくまでもイメージです」という画像には、意外と大切な納まりや、実際に必要な寸法が表現されていないことも多くあります。
便利な道具が増えても、見た目の美しさにこだわる3DCADやAIに、人間が丸投げしてしまっては、人間の価値が失われてしまいますし、そんな時代にはまだなってはいません。
道具によってできることが増えたからこそ、本物を見極め、実現できることを判断する力が、以前にも増して大切になっているように思います。
便利な道具を使いながらも、最後は人の目で確かめ、人の手で仕上げていく。
その大切さは、これからも変わらないのだと思います。
✿ 空間 × 人 × 色 ✿
奈良県橿原市を拠点に活動する樹樹サポートは、家づくり・リフォーム・店舗づくりをサポートするインテリアコーディネーターです。暮らしやすさとデザインのバランスを大切に、一人ひとりに合った住まいづくりをご提案しています。奈良で住まいやインテリアに関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。


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