言葉と表情、その間にあるもの
人生で、ドラマをまったく観たことがないという方もおられるかもしれません。けれど、そのような方はごくわずかで、ほとんどの方が映画やテレビ、そして今ではインターネットを通して、何らかのドラマに触れてこられたのではないでしょうか。
※ドラマとは、本来は演劇を意味する言葉ですが、テレビや映画などで、登場人物の会話や出来事を通して人生や物語を描く作品のことをいいます。
私はここ最近、またドラマをよく観るようになりました。
けれどその前の10年ほどは、ほとんど観ることがありませんでした。当時は父の世話をしながら、徹夜で図面を描き、コーディネーターとして日々のお客様との打ち合わせに心を向けることで精一杯だったのだと思います。
お客様との打ち合わせでは、言葉の単語だけを受け取るのではなく、表情や声のトーン、そのときの迷いやためらいも含めて受け取りたいと思い、ずっと会話に集中してきました。
会話をして、その方の思いを受け取り、それを形にしようとすることは、やはりとてもエネルギーが必要なことなのだと思います。だからあの頃は、ドラマを観るほどの余力がなかったのかもしれません。
思えば私は子どもの頃から、テレビを軽く「ながら見」することがあまり得意でない子供でした。
理解しないまま話が進んでいくのが嫌で、「なぜこの場面で、このセリフを言ったのだろう」「どんな間合いで言ったのだろう」「どんな表情だったのだろう」と、ついしっかり観てしまうのです。
言葉を大切に。
表情を大切に。
声のトーンを大切に。
最近になって、それは仕事でも同じだったのだと思うようになりました。
今も父の介護があり、仕事量をずいぶん控えています。以前とは違う忙しさの中ではありますが、少しだけドラマを観る時間が生まれました。
そして改めて観てみると、言葉や表情、声のトーンまで受け取りながら物語を味わう時間が、今の私には心地よく感じられるのです。
そういえば、もっと昔。トレンディドラマを録画して観ていた頃は、ストーリーよりもインテリアや家具が気になって、セリフが頭に入らないことがよくありました。
「この家具、どこのものだろう」
「この照明、素敵だな」
「この部屋の色合わせ、いいな」
そんなことを考えて何度も巻き戻すので、1時間の連続ドラマを観るのに3時間近くかかることもありました(笑)。
昨今は、ドラマを1.5倍速や2倍速で観る方もおられるそうですね。
タイパ、時短――。私にはなかなかできないことですが、それも今の時代らしい楽しみ方なのかもしれません。
100年社会と言われるほど長く生きられる時代になった一方で、ゆっくりドラマを楽しむ時間まで短縮しなければならないほど、私たちはたくさんの情報の中で暮らしているのでしょうか。
けれど私は、少し立ち止まって観る時間も大切にしたいと思います。
言葉だけでは伝わらないものが、表情や声のトーン、そして沈黙の間にあるように感じるからです。
✿✿✿ 空間 × 人 × 色 ✿✿✿
奈良県橿原市を拠点に、住まい・店舗のインテリア相談、家づくりの相談、図面作成を行う「樹樹サポート」です。インテリアコーディネーターとして、暮らしや想いに合う空間づくりをご提案します。
「インテリア樹樹」は、クロス張替え・床工事・カーテン・ブラインドなど、住まいや店舗の室内装飾を施工しています。奈良を中心に内装リフォームをご検討の方も、お気軽にご相談ください。


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