図面から読み取れること




※一部記入に間違いがありました。矢印の先の16909→16509です。
サンプルAとサンプルBで比較してみる
今回は、私が仕上表の中でも電気プロット図を描くときに意識していることや、悩むことについてお伝えできればと思います。
今回は、子供室と電気プロット図を例にします。
電気プロット図とは、照明・スイッチ・コンセント・テレビ端子・エアコン用コンセントなどを、建物のどこに配置するかを記した図面です。暮らし始めてから「ここにコンセントが欲しかった」「この位置では家具を置きにくい」とならないよう、家具の配置や動線、使い方を考えながら計画していきます。
今回のサンプル図は、2階建て・木造軸組工法の新築住宅で実際にいただいた図面の一部をもとに、間取りを変更して作成したものです。申請に係る図面ではなく、図面から読み取れることをご説明するためのサンプルです。
まず、この一部の平面図を預かったとします。図面から最初に読み取れることを、箇条書きにしてみます。
- 方角と、建物が北側に対してどのような向きに建っているか
- 外壁面、つまり外に面している壁がどこか
- 下屋の種類。今回はガルバリウム鋼板屋根であること
- 間取りと、部屋の中・部屋同士の動線
- コンセントをどこに配置できるか、またどこに配置するのがよいか
- サッシ窓のサイズと、2枚引違い窓であること
- シャッターがないこと
図面には、さまざまな情報が詰まっています。ただ間取りを見るだけではなく、住み始めてからの家具配置、家電の置き場所、外部とのつながりまで考えていくことが大切だと、私は思っています。
建築確認申請と、電気配線の打ち合わせ
ここでまずお話ししておきたいことがあります。
新築住宅を建てる流れとしては、すべてのことが完璧に決まったうえで契約し、建築確認申請へ進むことが理想です。ですが、すべてを決めてから申請へ進むと、お引渡しまでの期間が延びることもあります。
そのため、敷地と建物の配置、そして間取りが決まった段階で建築確認を申請し、その後に電気配線の打ち合わせを行うことも珍しいことではありません。
これは、どちらが良い、どちらが悪いというお話ではありません。
ただ、私を信頼してくださる工務店様の場合は、確認申請前に図面を回してくださることがあります。その段階で一度、電気プロット図を描いてみるのです。
サンプルAから考える、エアコンのこと
例えばサンプルAの建具配置では、外壁面に室外機を設置できる場所が、下屋のある面に限られることが分かります。
エアコンは、本体と室外機を必ず隣接させなければならないわけではありません。工夫や費用をかければ、離れた位置に設置することも可能です。
ですが、建売住宅やリフォームではなく、これから新しく家を建てる段階です。自由に間取りを選べる時に決めた配置の結果、室外機を屋根の上に置くのか、壁に架台で取り付けるのか、あるいは配管を延ばして1階に室外機を置くのかを考えることになります。
1階へ室外機を持っていく場合も、クローゼット側を通すのか、隣の部屋との間仕切り壁を通すのか。少しでも配管を短くできるルートはどこか。このように、間取りと電気設備、そして外構や外観までがつながってきます。
そもそも、高気密・高断熱住宅で、各部屋にエアコンを設置しない空調計画を採用している場合は、エアコンの設置を考えることはもう少し楽になるかもしれません。
私は間取りだけでなく、そのような工法や知識、建築会社様の考え方も知っていかなければならないのです。
コンセントの位置は、暮らし方から考える
コンセントの打ち合わせでは、「まだ家具の配置は考えていないので、一般的な位置で大丈夫です」とおっしゃるお客様も多くいらっしゃいます。
延長コードもありますし、コンセントを一つ増やすごとに費用もかかります。何でもかんでも付けておけばよい、と私も思っているわけではありません。
ですが、ご自身たちの子育てのスタイルや、ほかの部屋との関係を少し考えてみて、間取りを計画する時から家具配置も考えておかれることをおすすめします。
例えば、子供部屋ならこのようなことです。
- 子供部屋は、何年後から使う予定なのか
- リビングなどにスタディーコーナーを設ける予定なら、子供部屋にも勉強机を置くのか
- 子供部屋にテレビ端子は必要か
※テレビ端子については別のコラムにも書いていますので、よろしければお読みください。 - ベッド・机・収納を置いた時に、扉の開閉や通路は確保できるか
- 将来、どのように使い方が変わる可能性があるか
「まだ決まっていないから考えなくてもよい」のではなく、今は決まっていないからこそ、少し先の暮らしを想像してみることが大切だと思います。
サンプルBでは、何が変わるでしょうか
次に、サンプルBを見てみます。
実際には、サンプルAでもサンプルBでも、動線は十分に確保できます。だからといって、どちらかを一方的に「良い間取り」「悪い間取り」と決めるお話ではありません。
私は、ご依頼があれば間取りを考え、図面を描くこともあります。
その時に意識していることの一つは、隣の部屋とできるだけ壁一枚だけで接しないようにすることです。可能であれば、その間に収納を挟むことも考えます。
また、エアコンの吹出し方向と、ベッドや勉強机との位置関係も見ます。エアコンの風が直接当たり続けることは、やはり好ましくないと私は思います。
もちろん、敷地や構造、ほかの部屋との兼ね合いで、どうしても難しい時もあります。それでも、少し配置を変えるだけで避けられるのであれば、変えたい。そのような思いで、私は図面とにらめっこをします。
目を増やすということ
どの建築会社様も、基本的にはお客様のお考えに真摯に向き合い、家づくりを進めておられると私は思っています。
ですが、経験、抱えている物件数、限られた時間などによって、「そこまで目が届かなかった」ということは、どうしても起こり得ます。
だからこそ、建築会社様側にとっても、エンドユーザー様側にとっても、目を増やすことには意味があるのではないでしょうか。
私のような立場の仕事がある理由を、この一部の平面図からでも少しお伝えできていたらうれしいです。
家づくりの点は、線になる
家づくりは深いものです。
先日、エクステリア専門会社の社長様が、「うちではインテリアコーディネーターさんにお役に立てる仕事がなくて……」と、お気遣いくださったことがありました。
けれども実は、エアコンの室外機、玄関ドア、外壁、屋根など、エクステリアに関わることにもインテリアコーディネーターの視点はつながっています。
私は建築の仕事でも、それ以外の場面でも、いつも申し上げています。
点は線になります。関係のない点と点は、ありません。
私はこれからも広い視野で、皆様をサポートすることを生業とし、少しでもお役に立てるよう、日々学び続けていきたいと思います。
✿✿✿ 空間 × 人 × 色 ✿✿✿
奈良県橿原市を拠点に、住まい・店舗のインテリア相談、家づくりの相談、図面作成を行う「樹樹サポート」です。
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